祝!Navilens(ナビレンズ)日本アクセシビリティ利用元年

アプリとタグの写真

アクセシビリティの祭典主催「チームアイコラボ」の事務局NPO法人アイ・コラボレーション神戸 理事の北山です。これは、 アクセシビリティAdvent Calendar 2020の23日目の記事です。

昨年のアクセシビリティ Advent Calendar2019の20日目に、<障害のある方やすべての方へ>タグで情報提供。屋内を含む案内が可能な「NaviLens」というスペイン出張レポートを書かせていただきました。

その後、視覚障害のある人の見る工夫を集めたwebメディア「ミルクフ」に取材いただいて記事にしていただいました。「使い方かんたん!設置も楽々! Navilensが変える視覚障害者の移動と暮らし

そして、アクセシビリティの祭典2020で、Navilens CEO Javier Pita(ハビエル・ピタ)さんメッセージ(動画)を(翻訳した)書き起こしテキストと共に公開させていただきました。

2020年11月以降、神戸アイセンターで実証実験が始まり、本日神戸新聞で記事にしていただきました。「スマホで視覚障害者の街歩き手助け タグ読み取り音声案内 神戸で実証実験

静岡県の「クレマチスの丘」でも、Navilensの実証実験が始まっています。

Navilensがどのようなものかについては、上記サイトやNavilensの公式サイトをご覧いただければ幸いです。

2020年、私達は日本へのNavilensの導入を進めてきて、Navilensを知れば知るほど素晴らしいと感じています。ですが、今日はNavilensの機能の素晴らしさではなく、Navilensが開発された経緯を書かせていただきます。

Navilensは日本が世界に誇るべき「点字ブロック」を元にスペインで開発されました。
「点字ブロック」は55年前の1965年、三宅精一さんという人が視覚障害のある友人のために私財を投じて開発なさったそうです。

私は点字ブロックが岡山で開発されたことは知っていましたが、三宅さんというお名前を知りませんでした(日本で、特に現場でアクセシビリティに関する仕事をしているのに恥ずかしいです…)。スペインで作られた以下のサイトと動画で、初めてその事実を知りました。ぜひ沢山の方にご覧いただければ嬉しいです。

(サイト)祝!55周年 点字ブロック発明(JAPを選ぶと日本語で見れます)
(動画)祝!55周年 点字ブロック発明

上記のサイトや動画では、以下のように書かれています。

「この発明(点字ブロック)は視覚障害者の単独歩行に劇的な進展をもたらし、現在でも画期的な存在であり続けています。
しかし、まだ解決できていない問題が残っています。点字ブロックのユーザーが警告ブロックが敷かれた場所で立ち止まったとき、次の進路や分岐の方向をどうやって知れば良いのでしょうか。 」

「数十年後、ヨーロッパではこの問題の解決に挑みます。スペイン・アリカンテ大学の研究者グループと斬新なアイデアを持つテクノロジーソリューション企業のネオシステックが視覚障害者の自立支援及び、生活の質の向上に役立つ技術の研究を開始したのです。」

転載以上。
そして10年の開発期間を経て、問題を解決するNavilensが誕生しました。

祝!55周年 点字ブロック発明 のウェブサイトの最後は以下の言葉で締めくくられています。

「三宅精一さん、ありがとう」

彼らは、スペインから三宅精一さんの情報を沢山調べて、このサイトや動画を作ったそうです。「大変だった」とおっしゃっていました。

このサイトや動画を見て、私はとても嬉しかったです。
日本ほど点字ブロックが普及している国は無いと思います。
このサイトや動画を見て、私は日本人であることに、あらためて誇りを持てました。

Navilensは機能も素晴らしいですが、チームの皆さんが素晴らしいと思います。
チームの皆さんに言わせていただきます。

「Navilensチームの皆さん、ありがとう」