【書き起こしテキスト】フォントとアクセシビリティとブランディング

(学校のチャイム)

(関口)皆さん こんにちは

フォントおじさん2020

「フォントとアクセシビリティと
ブランディング」と題しましてーー

楽しく10分間 お送りしたいと思います

自己紹介ですけれどもーー

“フォントおじさん”と
呼ばれておりますーー

SBテクノロジーの関口浩之です
よろしくお願いします

2年半前ぐらいですかね

“フォントおじさん”と
ニックネームが付きまして

それから
いろんな方から取材をしていただきーー

いつの間にかトップ30のうち9割が
私の記事になっているという

是非“フォントおじさん”で検索して
いろんな記事を見ていただけるとーー

フォントのことが好きになるかなと
思っております

これが2年半
ずっとトップで(出てくる記事)

世の中には “フォントおじさん”が
100名ぐらいいるんですけどーー

“フォントおじさん”で検索すると 私が
いちばん上に出てくるようになったーー

きっかけの記事ですね

最初のテーマ
フォントの役割について おさらいします

視認性・可読性・判読性があります

ひとつひとつ いってみますね

“視認性”は“見やすさ”ですかね

そのほうが分かりやすいかと思いますね

地下鉄の案内板ですとか
道路の標識にはーー

ゴシック体が使われてますよね

パッと見て すぐ理解できるというのが
目的の書体と考えてもいいかと思います

そうそう
丸ゴシックも結構 使われてます

これは 昨年のアクセシビリティの祭典の
会場の最寄り駅ですよね

京コンピュータ前駅

“止まれ”も丸ゴシック

阪急の駅名標も丸ゴシック体

かわいいけど
読みやすいということですね

次に“可読性”

“読みやすい”という表現がいいかな

本の表紙 装丁ですとか
街なかのポスターとかではーー

明朝体が よく使われているんですね

“読んでほしい”とか
感情が伝わりやすいといわれてもいます

明朝体 ゴシック体 日ごろ
あんまり意識してないんですけども

皆さん
上手に使い分けてるかもしれませんね

ゴシック体は やはり看板ですとか
そういったものでは よく使われていて

こういったポスターとか…

あと 小説の本
100ページも200ページも読むときーー

明朝体はデコボコ感があって
疲れないんですね

そういわれているので
小説には 明朝体が よく使われています

あと 結構 大事なのは“判読性”ですよね

パッと見て 間違いなく ちゃんと
伝えるという目的ですけれどもーー

“ユニバーサルデザインフォント”と
最近では いわれたりしてます

これは海外の書体の事例で
上が“Helvetica”

下が“Frutiger”ですけども

霧がかかった状態で
遠くから見た場合ーー

“C”と“O”の違いが
下のほうが わりと分かりやすい

あと 3とか8とか6の違いが
分かりやすいですね

そんなことで 海外の書体ではーー

ユニバーサルデザインフォントとか
特に言ってないんですけどもーー

シチュエーションですとかーー

コンテキストに応じた書体の選定を
しているということだと思います

最近 僕は“3”とかが
すごく気になってしまってーー

ウチの会社のビルの
近くの看板の“3”の数字のーー

ここの閉じ具合とかが
“あっ 違うね”とかですね

エレベーターの“3”

“Gill Sans”という
大好きな書体が使われててーー

“この3 読みやすいな”とか
そんなことを日々 感じております

それから
最近 気になったフォントの話題をーー

1つ ご紹介しますね

高輪ゲートウェイ駅
なぜ明朝体 使われている? うん?

新しく山手線にできた駅ですよね

この間 私 行ってきました

緑の中の駅の改札の上の文字 通常は
ゴシック体が使われてるんですけれども

“えっ なに?
明朝体が使われてんの?”

“だせえ”とかですね

そんな感じで盛り上がっちゃったんですね

だから “高輪ゲートウェイ駅の
看板を嫌いになってもーー”

“明朝体は
嫌いにならないでください”とかーー

そんなことも書いてる人がいました

でも この駅の建物の看板ーー

これ 明朝体でも
すごくステキじゃないですか

やはり
使われるシチュエーションに応じてーー

書体が適切に置かれると
不自然じゃないということだと思います

ただし 駅名標といわれている
駅のホームにある この(看板)

使われている書体は
やはり ゴシック体です

何というか 据わりがいいですよね

その帰り道に こんなのを見つけました

3メーターぐらい上の案内標識で
あんまり大きくないんですけども

僕は矯正視力が いくら上げても
0.8ぐらいまでしかないのでーー

これ 見えない
読めなかったんですね

望遠のカメラで撮って やっと
分かるかどうかっていう状況なんですね

“文字が小さすぎて読めない!”

どっかで聞いたことあるような
言葉ですけども

やはり デザインが
どこで使われてるかを意識するとーー

こういうことが
起きないんじゃないかなと思ったりします

ブランディングの話を
していきたいと思います

欧文の有名な書体ーー

“Frutiger”“Helvetica”
“Future”等々ありますけれども

実は コーポレートロゴや
コーポレートタイプはーー

結構 既存の書体を使ったりして

“ウチは この書体で
発信していきます”とかですね

それをコーポレートフォントとかーー

ブランディングで
書体を活用していこうというのがーー

もう何十年ぐらいも前から
起きてることなんですね

それが 最近では Webでもーー

コーポレートフォントを
使っていくというような流れがーー

徐々に出てきてるんですね

これは最近 発表されたーー

メルカリさんの
“Mercari Sans”ですけども

この“a” かわいいですよね

“Mercari”のコーポレートタイプでは
この“a”を使う

通常の それ以外のーー

“Mercari”という
文字列じゃないときにはーー

この2階建ての“a”を使うとかですね

そういう使い分けが
できるということですね

結構 日本の企業さんが
ひらがな カタカナだけとかーー

アルファベットだけというようなーー

漢字まで入れると開発費 大変なのでーー

自分の会社のブランディングとしての
書体を作るということがーー

ちょっと
トレンドになってきている昨今です

Webフォントの話を
残りの時間で したいと思います

代表的な事例として 毎回 ご紹介してます

小田原市の公式ホームページですね

アクセシビリティ 多言語対応
運用が効率的になったとかーー

SEO ブランディングというところでの
優等生的な導入事例だと思います

昨年だったかな
Google翻訳を使ってたんですけどもーー

ちょっとお金をかけて 有料の
翻訳機能を使って(ページを作成し)

今は使われているということですね

中の文字が 画像ですと 画像を
出し分けしなくちゃなんないですけども

Webフォントを使ってる場合においては
文字色変更もしやすい

運用しやすいということですね

つまり マシーンリーダブルな
テキスト情報は もちろん重要ですしーー

デザイン性の確保も
できているということです

いくつか事例を
最近のものをご紹介します

“The Okura Tokyo” ホテルです

明朝体を使って
縦書き 横書き 混在してーー

これはWebサイトですけどもーー

全部 筑紫明朝を使っての
テキスト表現になっています

大塚製薬さんの
グループの会社さんのサイトではーー

イワタUDゴシックという
ユニバーサルデザイン(のフォント)

要は 読み間違いが
起こりづらい書体を使ってますね

それから 東京都現代美術館が
たづがね角ゴシックを使っています

これも非常に読みやすい書体だと思います

ブランド力の高い商品ーー

それから 結構 有名なサービスを
行っている事業者さんでーー

Webフォントの採用が
ここ数年 続いていたということです

いろんなWebフォントに関する
Q&Aがあるんですけどーー

1つだけ 最後に紹介して
まとめにいきたいと思います

“クライアントへ
どう提案したらいいの?”

制作会社だったら その辺 気になります

それから
企業内の担当者ですと 稟議のときにーー

書いて通るかというところだと
思うんですけども

今日 今までのフォントの話で
“ブランディングの向上ーー”

“ウチは この書体で
統一感を出していく”という使い方もーー

是非 考えていただきたい

もちろん アクセシビリティを確保して
多言語対応もしやすい

それから もちろん テキストですので
SEOによろしいということですよね

あと 効率が上がるというのも
すごく大事かと思います

その辺を
分かる人には ちゃんと話をします

でも “分からない方”と
言ったら失礼ですけどーー

(そういう方には)“競合他社さん
みんな 使ってますよ”とかーー

“とにかくステキになって
ブランディングに すごくいいらしいよ”

“入れておきました”ぐらいの感じで

海外のWebサイトではーー

95パーセント Webフォントが
使われてるというのでーー

もう当たり前になっているということです

まとめになります

今日のメッセージですけどもーー

“フォントは
企業の顔であり 声でありーー”

“ブランディングの主人公である”と
思っておりまして

それを
今日のキーフレーズにしたいと思います

文字を使うことの根本的なところはーー

やはり 情報を正確に伝えるためのーー

コミュニケーションの
基盤であるということです

書体とかフォントとか文字をーー

なかなか 日ごろ そんなに
気にしてないかと思うんですけどもーー

サイトのリニューアルの際には
どんな書体を使おうかーー

どんなシチュエーションで
こういう書体を使おうかーー

そういうことを考えると
すごく楽しいですしーー

いいリニューアルに
なるのではないかなと思っております

以上です
どうも ありがとうございました