【書き起こしテキスト】インクルーシブな製品開発とリモートワークの職場環境

(山本)こんにちは
freee株式会社の山本伶です

本日は
「インクルーシブな製品開発とーー

リモートワークの職場環境」という
タイトルで発表させていただきます

よろしくお願いします

私は山本伶と申します

freee株式会社で
デザイナー 兼 エンジニアとしてーー

UIデザインの仕組み作りやーー

製品のアクセシビリティの向上を
手がけております

まず freee株式会社の
紹介をさせていただきます

freee株式会社はーー

クラウド型バックオフィスサービスの
開発・販売を手がけておりーー

会計フリーや人事労務フリーを
はじめとしたサービスを展開しております

次に freeeの製品のアクセシビリティの
取り組みを ご紹介させていただきます

freeeは“スモールビジネスを
世界の主役に”というミッションを掲げて

サービスを展開しております

サービスのコンセプトとしてはーー

“アイデアや パッションや
スキルがあれば だれでもーー

ビジネスを強くスマートに育てられる
プラットフォーム”を掲げています

アイデアやパッションや
スキルがあれば だれでもということは

スモールビジネスに関わるーー

全ての人が使える製品を
作らなければならないということになります

スモールビジネスには
いろいろな立場で関わっている人がいて

個人事業主や
法人の代表者・役員の方 従業員の方

税理士 公認会計士
社会保険労務士といったーー

アドバイザーとして関わる方

そして そこに取引先として
関わる人たちも含まれます

これらの人たちが全て使える
サービスを作るためにーー

freeeでは アクセシビリティを
とても重視しています

freeeでは アクセシビリティの
ガイドラインとしてーー

独自のものを制定しており

アクセシビリティの基準を
分かりやすく定めています

実際に行っている
アクセシビリティの取り組みとしては

従業員が避けては通れない
年末調整機能でーー

スクリーンリーダーを使用している
視覚障害のある方のためのーー

サービスを用意したり

カラーパレットを調整して
ロービジョンの方や 色弱の方でもーー

情報を正しく読み取れるようにしています

これらの開発には 当事者を巻き込んで
開発するようにしておりーー

視覚障害のある方や 色弱の当事者が
アプリケーション開発に関わっています

freee社内でfreeeを使ってるので
これらの改善を行うとーー

その価値は
すぐに本人たちに届くことができ

当事者が身近にいることでーー

アクセシビリティの重要性も
社内で認識されやすくなっています

開発だけではなく
商談の場でもーー

アクセシビリティを意識した活動が
行われていて

聴覚障害のある方と 書き起こしの
アプリを使った商談を行っていたり

ユーザーへの
ヒアリングを行ったりもしています

アクセシビリティの
開発での取り組みはーー

雑誌 「WEB+DB PRESS」116号の
特集としても執筆いたしました

また 今回 紹介した取り組みの
細かい内容はーー

“2019年 freeeのアクセシビリティを
振り返る”という記事でも紹介しております

次に 新型コロナウイルスの流行と
freeeの職場環境について ご紹介します

freeeは3月から
完全にリモートワークとなりました

確定申告期間中という
繁忙期の最中でしたがーー

すぐに 完全の
リモートワークに移行してーー

現在も在宅勤務を続けています

もともと freee社内での業務は
ペーパーレス化していてーー

視覚障害のあるメンバーでも
業務を行えるようになっていました

実際に 視覚障害のあるメンバーの
声をお聞きください

(中根)
freee株式会社の中根といいます

freeeでは エンジニア的なことも
していますが ほぼ 最近はーー

ライターのようにガイドラインを
たくさん書く仕事をしています

アクセシビリティの推進というのが
いちばん大きな役割です

僕が 今まで
働いたことがある所とかだとーー

書類が見られないとかの問題が
いろいろ あるんですけれども

ウチの会社の場合は
執念が すごいって感じるぐらいーー

あらゆるものが
オンラインになっていて

スクリーンリーダーを使えば
読めるって状態になっているので

あんまり 視覚障害者の方
どうこうっていうことはーー

その使ってる機材以外には
ないかもしれないですね

(山本)さて リモートワークはーー

もともと 業務が
クラウド化されていたのもありーー

スムーズに
スタートすることができました

先ほどの中根の声もありましたが
視覚障害者にとってはーー

あまり変わらず
ふだんどおりに業務ができていて

ビデオ会議についてはーー

手元のパソコンで誰が出席しているのか
確認しやすくなりーー

便利だという声も上がっています

そのリモートワークのさなか
全盲のエンジニアが新卒入社しました

もともと彼は 内定者インターンとして
社内に在籍していましたがーー

今度は新卒エンジニア向けの研修を
受けてもらうことになりました

しかも リモートワークということで
合理的な配慮の心配や 臨機応変な対応も

難しくなってしまうという
懸念がありました

新卒研修の資料は
Google Slidesで作っているのですが

講師となる社員にお願いしてーー

図表などには必ず
代替テキストを入れてもらいました

いざ本番のリモート研修となると
無事に行うことができました

新卒研修の良かった所などを
本人に聞いたのでーー

その声をお聞きください

(野澤)野澤と申します

freee株式会社に4月から
正社員として入社していてーー

今は研修中なんですが

チームでウェブのアプリケーションを
ガンガン作っています

みんなが集まって
研修するときにーー

どうしても みんなが
物理的に何かをやっている瞬間とか

手を どれぐらい挙げているかが
見えないとか

その場でグループになってくださいねと
言われたときとかにーー

困ってしまうことが
あったんですけれども

リモートで それが変わってくるとーー

例えば グループに分かれるのはーー

デジタルで何かをしないと
分かれられないからーー

専用の方法が考えられていて

そのとおりにやると グループに
ちゃんと分かれることができたり

リアクションも チャットなどでーー

誰が どういう反応したとかも
自分で分かる状態になっていました

やりにくかったことは
1コぐらいしかなくて

それも リモートが
直接の原因というわけではなくて

ただ その研修中に使っていた
開発のアプリの一部がーー

たまたま ちょっと
使えなかったよっていうだけで

ほかは
特に困ってしまったことはなく

サポートをしてもらえていたので
快適に研修できました

Slidesに画像の説明文がーー

ほぼほぼ9割ぐらい入っていたので
良かったです

(山本)freeeでは 中小企業向けの
テレワークの実態調査をーー

緊急事態宣言が出ていた
4月の半ばに実施いたしました

すると 会社でテレワークが
許可されているかの質問に関してはーー

許可されていると答えた人は36%と
非常に少ないことが分かりました

また テレワークを 実際に
許可されている人たちの中でもーー

出社しなければいけない頻度が
ほぼ毎日の人は16.3%

出社が全くない人は 23.3%とーー

非常に多くの人がテレワーク中でも
出社をしていることが分かりました

では なぜ出社が必要になるのかの
質問に関してはーー

取引先から送られてくる
書類の確認・整理作業

請求書などの確認
契約書の押印などーー

紙を使うことを前提とする
ワークフローがーー

リモートワークを妨げてしまっていることが
分かってきました

一方 弊社の事例を見ると
業務がペーパーレス化してーー

リモートワークが
可能になることによってーー

視覚障害のあるメンバーだけでなく
いろいろな人がーー

活躍できるようになるのではないかと
考えています

スモールビジネス内部だけではなく
社会全体がーー

なかなかリモートワークに
対応できてない現実が見えてきております

そこで 弊社ではーー

“取引先にもリモートワークを”という
呼びかけを始めました

現在 多くの企業に
賛同していただいております

また “Power To スモールビジネス”
というサイトも立ち上げーー

中小企業・個人事業主向けのーー

支援の情報などを
アップデートしていっております

発表は以上となります
ご清聴 どうも ありがとうございました