【書き起こしテキスト】目に見えない障害とアクセシビリティの可能性

(北川)
チームアイコラボの北川です

次のセッションはーー

「目に見えない障害と
アクセシビリティの可能性」です

では まず あなたのお名前と
障害を教えてください

(Ten)はい こんにちは
LedesoneのTenと申します

僕自身は発達障害のLDと
ADHDを持っていましてーー

主な困り事というか
特性としてはーー

LDの
“文字が書けない”という部分です

パソコンとか
スマートフォンを使ってーー

文章を書くのはできるんですけど
手でやとーー

自分の名前と住所ぐらいだったら
まだ書けるんですけどーー

文字を書いたりとかするのに
すごい困難さがあったりします

ADHDの特性としましてもーー

あとで また セッションとかでも
話すんですけどーー

時間管理とか タスクの整理とかーー

そういったものが
すごく苦手やったりします

(北川)そうしたら あなたがーー

ウェブやAI IoTで
実現したいアクセシビリティのーー

近未来を教えてください

(Ten)そうですね
僕自身は アクセシビリティをーー

発達障害とか精神障害の視点から
考えていってるんですけど

今って 障害がなくてもーー

何かしらの しんどさを
抱えてる人が多くいてーー

そういった AIとかIoTを
発達障害・精神障害視点でーー

どういうふうに活用するかを
しっかり考えていくことによりーー

ホントの意味での
誰もが過ごしやすい世界がーー

実現できるんじゃないかなと考えてます

(北川)ありがとうございます

そうしたら 今回
発表されるテーマは何ですか?

(Ten)今回は
発達障害とか精神障害とかーー

そういった「目に見えない障害とーー

アクセシビリティの可能性」について
話したいと思ってます

(北川)ありがとうございました

それでは セッションのほうを
よろしくお願いします

(Ten)
ありがとうございます 始めます

そしたら 「目に見えない障害とーー

アクセシビリティの
可能性」っていうことでーー

LedesoneのTenが発表します

こんにちは 改めまして
LedesoneのTenと申します

僕は大阪出身で
LDとADHDの当事者でーー

4月から 複業でーー

新卒のセールスマンとして
働いてるんですけどーー

2年前の3月に
個人事業主としてーー

今の企画事務所Ledesoneを創業しました

昨年の このイベントーー

“アクセシビリティの祭典”に
参加したことをきっかけにーー

そこで アクセシビリティとか
インクルーシブデザインを知った

アクセシビリティとか
インクルーシブデザインとかーー

ユニバーサルデザインってーー

今まで 身体とか
視覚とか聴覚の方を巻き込んでーー

作っていくのが
多かったと思うんですけどーー

発達(障害)とか精神(障害)の人らを
巻き込んで やっていったほうがーー

すごくいいんじゃないかなって
僕の中で思ってーー

それを今 模索していきながら
活動しています

僕の特性としてはーー

先ほども お話ししたんですけど
手書きが すごく苦手でーー

どうしても手書きじゃないと
いけないときとかはーー

いったん スマートフォンで入力し
それを書き写しています

今 出してる画像とかやったらーー

就活してるときに
書いてあったやつなんですけど

“私は御社の総合職を
希望してます”と(スマホで)メモをし

それで 手書きで “私は
御社の総合職を希望します”ってーー

書いてあるんですけど
御社の“御”っていう字がーー

各偏ごとが
すごい空白ができてたりとかーー

字のバランスが
すごくおかしかったりとかしてーー

ちゃんと
字を書けてないということがーー

よく起こっています

ここで 皆さんに質問です

この中で
当てはまるものはありますか?

1 よく忘れ物をしてしまう
2 時間管理が苦手

3 物事の優先順位付けが苦手
4 タスク管理が苦手

5 小さな変化に苦痛を感じる

6 音や照明に過剰に鈍感だったり
敏感だったりする

7 コミュニケーションが苦手
8 暗黙のルールが理解できない

この中で
当てはまるものってありますか?

(北川)僕であれば
2番の“時間管理が苦手”とか

4番の“タスク管理が苦手”がーー

僕自身も
そんなに得意ではないほうですね

(Ten)
なるほど ありがとうございます

こういったことに
いちばん当てはまったりとかーー

いちばん悩んでる当事者の方ってーー

発達障害(ADHD
LD ASD)の当事者の方がーー

こういったものに
当てはまってるんですよね

でも これって
発達障害じゃない方もーー

わりと こういう特性に
すごく当てはまっててーー

発達障害の診断とか
そういうのはないけどーー

同じような特性があるという人は
結構いてます

そんな悩みや課題を放っておくと
どうなるかというとーー

“あいつ なんで
できへんねん”みたいな感じでーー

いじめが起きたりとかーー

“自分は
すごいめっちゃ頑張ってんのにーー

なんで できへんねやろ”みたいな
悩み過ぎたりとか

そうすることによって
二次障害の発生であったりとかーー

うつや自殺などが起きたりしてます

現に僕自身の場合はーー

ちょっと文字が書きづらいとかも
あったんですけど ほかにもーー

コミュニケーションの問題とか
いろいろあってーー

小学校3年生のときに周りから
すごい いじめられたりとかーー

そういうのが起きてーー

教室の窓から飛び降りる
自殺未遂をした経験があります

そんときに
発達障害の診断自体はーー

小学校入学する前に
ついてたんですけどーー

その自殺未遂がきっかけで
親から初めてーー

“実は発達障害を
持ってるんだよ”みたいなことをーー

言われたりとかして

そういうような感じで
できないこととかーー

自分で悩み過ぎてしまう人とかが
結構いてて

これは発達障害が
ある人・ない人にかかわらずーー

結構 そういう方が多くなってて

今って
精神疾患を持ってる人ってーー

ガンの患者数よりも
多くいてるっていわれてまして

どんどん
心のしんどさを抱えてる人らがーー

今 日本では
すごく多くなっていってます

やっぱり こういったことに
いちばん悩んでんのってーー

発達障害の当事者であったりとかーー

精神疾患を持ってる人らで
あったりとかーー

そういった 目に見えない障害を
持ってる人らはーー

やっぱり こういうことが
すごく苦手なんですよね

目に見えない障害を
持ってる人らってーー

何に困ってるかっていうとーー

やっぱり 人に相談することが
できないんですよ

自分で なんとかできる人は
それはそれでいいんですけどーー

なんとかしようと思っても
できひんかったりとかーー

周りに相談したとしても
“そんなん 誰でもあるわ”とか

ちょっと軽く流されてしまったり

“お前の頑張りが
足りへんだけやろ”みたいにーー

言われてしまったりすることが
あるんですよね

そうすることによって どんどん
しんどくなっていってしまってーー

こういうふうなことが
起きたりとかしていってます

それやったら 発達障害の人らは
精神障害の人らと一緒にーー

そういうのを
解決する仕組みであったりとかーー

サービスを作っていけば
いいんじゃないかなと考えてーー

僕らが
去年の4月に開催したのがーー

「サービスの企画開発に
発達障害視点を」ということでーー

“ハッタツソン”というイベントを
開催しました

ハッタツソンはーー

障害のある当事者と
障害のない方がーー

一緒に協力して
サービス作りを行うイベントです

どういうふうな形で
やってたかっていうとーー

エンジニアとかデザイナーとか
プランナーというチームにーー

発達障害の当事者の方に
入っていただいてーー

発達障害の当事者の方は
別にプログラミング能力とかーー

エンジニアとか
デザイナーみたいな能力はーー

全然なくてよく
ただ やってもらうことはーー

チームにいてる
エンジニア デザイナーにーー

自分のこれまでの経験とか困り事ーー

その困り事を どう解決したかとか
そういったことをーー

チームのエンジニア デザイナーに
話してもらいます

チームの
エンジニア デザイナーはーー

それをしっかり聞き出して
アイデアにまとめてーー

それを基に
サービスを作っていってーー

そして チームの当事者にーー

テストしていくといったイベントです

最初に
発達障害に関する講演があります

次に 各チームで
どういうものを作っていくかのーー

アイデアを出すための
“アイデアソン”があります

そのあと
アイデアソンで出たアイデアをーー

各チームで発表を行っていきます

チームにいてる発達障害の
当事者の経験や視点を基にーー

アイデアを考え
それを発表していきます

そのあとは
“ハッカソン”という形でーー

実際に出たアイデアを基に
開発を進めていきます

これを3日間行い 最終日に
デモプレゼンを行うという流れになります

実際に どんなプロジェクトが
生まれたかっていいますとーー

“コンダクター”っていう
サービスなんですけどーー

これはですね たまに
仕事とか 何か作業してるときにーー

“この作業 なる早で”みたいなことをーー

上司とか周りから
言われたりすることあると思うんですけど

“なる早”って言われた人からしたらーー

なんとか こう…

自分の自己解析で
やっていける人とかもいればーー

“なる早って いつまでや?”とかーー

“毎日もらってた作業は
どないしたらええんや”となってーー

全ての作業とかタスクが
止まってしまう人とかもーー

中には いてるんですよね
こんがらがってしまう

それを解決するサービスです

ここに画像が載ってるんですけど

自分の部下は 今 どんなタスクを
こなしていってるのかがーー

こういうふうな感じで
アプリ上で見れるんですよね

例えば A・B・Cっていうタスクを
部下が順番にやってますと

そうしたら Aのタスクを
いったんストップしてーー

Bのタスクを最優先で
やってほしいみたいな感じでーー

順番を こうやって
入れ替えることができるんですよ

そうすることによって 部下はーー

“今 いったん これをストップしてーー

こっちのほうを先にやれば
いいねんな”っていうのがーー

視覚的な情報で分かる

口頭だけの指示が すごく
分かりにくい人も結構いてるので

視覚的な情報によって
すごく作業がしやすくなります

そうすることで
上司と部下の間のーー

コミュニケーションにおける
障害っていうものがーー

解消されるようになります

そして
作業が終わったら 部下はーー

“この作業 これぐらいの時間で
終わったよ”とかーー

“こんな感じやったよ”っていうーー

フィードバックを
送ることができるんですね

そのフィードバックが
たまっていくことによってーー

上司は 自分の部下が
どういう特性を持ってるのかやーー

何が得意で
何が苦手なのかっていうものをーー

しっかり把握することが
できるようになるんですよ

そうすることによって
“この作業はーー

この人のほうが得意だから
この人に任せよう”とかーー

“この作業は
この人のほうが得意だからーー

この人に任せよう”みたいな感じでーー

ちゃんとした仕事の割りふりもーー

その部下の特性によって
できるようになっていく仕組みです

ちなみに このコンダクターという
サービスなんですけどーー

今年の1月末にーー

クラウドファンディングで
100万円以上 達成しました

260人の方に支援していただいてーー

現在 サービス開発に向けて
進めていってます

これ以外にも もうひとつの
プロジェクトとしてはーー

高校とか学校とかにーー

自分の体調とか
その日の体調とかをーー

すぐに共有できるアプリを
作ってたりとかーー

放課後デイサービス向けの
ツールを作ってるチームもありーー

ほかの企業と一緒に
サービス開発を進めていたりーー

これから会社を立ち上げるという
チームがあったりとかーー

そのように ハッタツソンに
参加していたチームはーー

ハッタツソン終了後も 独自に
サービス作りをやったりとかーー

そういうのを当事者と一緒に
進めていっています

こうすることによって
発達障害の人だけじゃなくてーー

発達障害以外の人にも
使えるサービスをーー

どんどん作っていってます

ハッタツソンっていうのはーー

先ほど “サービス作りをする”と
言ったんですけどーー

実は サービス作りだけじゃない面も
ありましてーー

結構 いろんな方が
ハッタツソンに関してーー

twitterとかSNSで
シェアしてくれていたのですが

そこで多くあった声が
“当事者と そうじゃない人がーー

協力プレーするって
貴重な場”であったりとか

“エンジニアと
デザイナーとプログラマーとーー

発達障害当事者が
対等な立場で議論を重ねてーー

より生きやすくなるツールを
一緒に作っていくのってーー

すごくステキなこと”というふうに
言ってはって

僕らが目指してることってーー

障害のある人らの課題と
社会の課題の共通点をーー

解決するっていうことなんで

やっぱり
当事者と そうじゃない人がーー

一緒に議論をしていく必要性が
あるんですよね

でも やっぱり 今って
当事者と そうじゃない人の壁ってーー

すごく大きくあるなって思ってて

僕らは そういう壁を どんどん
壊していきたいなと思ってーー

こういった活動をしていってます

先ほどの 「目に見えない障害とーー

アクセシビリティの可能性」という
話なんですけどーー

結構 今 発達障害の人らを
起点にした製品もーー

少しずつではあるんですけど
生まれていっててーー

例えば これは
“mahora”っていうノートなんです

発達障害のある方とか
感覚過敏がある方でーー

紙からの反射が すごくまぶしくて
文字が書きにくいとかーー

いつの間にか 書いてる行が
変わってしまうとかーー

罫線以外の情報が気になって
集中できないなどもあります

アクセシビリティの意味って
使いやすさとか見やすさーー

そういった部分だなって
思うんですけどーー

それは やはり発達障害の分野にも
すごい当てはまってて

発達障害って 一見ーー

しっかり話を聞かないと
分からないというーー

特性があったりするんですけど

実は こういうふうな困り事とか
結構あって

発達障害の人らの視点を いろいろ
活用して作ったことによってーー

子供から お年寄りまで
いろんな人がーー

使っていけるノートが
できることになりました

これは
一般社団法人UnBalanceとーー

OGUNOっていう
ノートを製造してる会社がーー

共同して作ったノートになります

Ledesoneは こんな感じで
発達障害とか精神障害とかーー

そういった いろんな人らの
視点とかを活用してーー

サービスであったりとか 商品を
開発する場を作ったりとかーー

そういう活動をしててーー

今まで いろんなメディアさんにも
取り上げていただきました

これまでも NHKのイベントに
登壇させてもらったりもしてます

以上です

(北川)ありがとうございました

僕も初めて聞くこととかーー

さっきのノートのこととか
全然 知らなかったんでーー

すごい貴重な情報を
ありがとうございます

(Ten)はい

そうですね えっと…

今って アクセシビリティとか
ユニバーサルデザインなどはーー

身体(障害)とか視覚(障害)とか
そういった方を巻き込んでーー

作っていくことが多いと思うんですけど

それを 発達障害とか精神障害とか
ほかにも失語症とかーー

そういった 一見 見えにくいーー

分かりにくい障害のある方に
目を向けていくことによってーー

ホントの意味での誰もが使いやすいーー

誰もが過ごしやすいということに
なるんじゃないかなと思ってます

(北川)僕は身体障害で
車イスを使用してるんですけど

やっぱり 今言われたように
目に見えない障害というとこでーー

なかなか理解してもらえず
苦労もあるかと思うんですけど

そこら辺は どうですか?

やっぱり いろんな障害の人と
一緒になってーー

やっていったほうが
いいかなっていうことですかね?

(Ten)そうですね はい

ほんまに 身体(障害)とかも そうですし
発達(障害)とかも そうでしょうしーー

世の中 困ってる人起点でーー

商品とか 働き方の仕組み作りとか
していくこと(が必要)

困り事って 障害はないけどーー

同じような困り事をしてる人は
実は結構いててーー

そういう人らも すごい救いに
なるんちゃうかなと僕は思ってて

だから
いろんな障害のある人らがーー

一緒になって
サービスとか商品作りとかーー

働き方の仕組み作りだったりとか
学校とかやったら学び方とかをーー

考えていく必要性が
あるんじゃないかなと思ってます

(北川)
ちなみに さっきのノートはーー

個人的に
使用されてるということでーー

学校とか支援学校とかで
使ってるってことはーー

今のとこは
ないっていうことですかね?

(Ten)このノートですか?
このノートはーー

Ledesoneが作ったわけではなく
他社の事例としてーー

紹介させてもらったノートなんですけど

いろいろ調べてみるとーー

支援学校でも
使われ始めてはいるみたいです

(北川)なるほど

このノートが 一般的に言ったらーー

普通の さっき言われている
罫線のあるノートでやるよりーー

作業がしやすいのであれば
もっと普及すればーー

学校でも ストレスなく使える人も
増えるんかなと思いますけどね

(Ten)そうですね

ほかにも さっき言ってた
これ(コンダクター)とかもーー

発達障害とか
精神障害のある方とかーー

同じような特性を持ってる
障害のない人とかもーー

働き方っていう部分で
すごく困ってる方も多くいててーー

そういう人らにも
使っていけるみたいな感じでーー

いろんな声は いただいてます

(北川)なかなか 僕らでも
こういうふうなサービスとかーー

ノートとかがあるのが
情報として あまり知らないんでーー

少しでも こういうふうな情報を
発信してもらうことでーー

同じ悩みを持ってる人とかの
役に立てばいいかなと思いますね

(Ten)そうですね

そうすることで ほんまにーー

これ(コンダクター)とかやったら
働き方がテーマのプロジェクトですし

さっきのノートとかやったら
学校とかでできてますしーー

そうすることで
いろんな人が ほんまの意味でーー

さっき言ったように
いろんな人に届くことによってーー

障害のある人らも助かりますしーー

障害はないけど 同じような悩みを
抱えてるっていう人もーー

すごく助かるんでーー

そういう意味では ほんまの
アクセシビリティっていうのがーー

できていくんじゃないかなって思ってます

(北川)
確かに この“コンダクター”もーー

僕らは
ついつい 作業を言葉で伝えてーー

伝わってるものやと思うんですけどーー

ここに書いてあるように
“目に見える化”をするとーー

順番とか そういうのも 作業が
スムーズにしやすいですよね

こういうツールがあるのを
僕も今日初めて知りました

(Ten)
そうですね ありがとうございます

これも
今 サービス開発を進めていってーー

いろんな企業とかにーー

使っていってもらえるように
なればいいなと思ってますしーー

Ledesoneとしても ハッタツソンと
いうふうなイベントを通してーー

こういった ほんまの意味でのーー

誰でも使いやすい製品だったり
仕組みっていうのをーー

どんどん生み出していきたいなと
考えてます

(北川)
発達障害がある人だけではなくて

さっきもあったように
タスク管理が苦手な人にもーー

使いやすいツールなんかなと思いますね

(Ten)
そうですね ホントに あの…

発達障害とか精神障害とか
ほかにも身体(障害)とかーー

そういった人らを起点としたーー

サービス作りだったり
商品作りをすることによってーー

誰もが使いやすい 誰もが
過ごしやすい社会っていうのがーー

作っていけるんじゃないかなと
思いますよね

(北川)LedesoneのTenちゃんさん
ありがとうございました