バリアフリー演劇

Web・AI・IoT 「障害者集団」が提案するアクセシビリティの近未来(イメージ画像:スタッフのシルエット。夜明けの空と街並みを背景に数人が並んでいる)

祭典とは少し違うお話ですが、、、

昨年バリアフリー演劇というものを観劇に行きました。

バリアフリー演劇チラシ「ヘレン・ケラー」

一般的な演劇も観劇したことはあるのですが、一体どこが違うのかワクワクして行きました。

まず、劇場に入ると座席がなく、地べたに直接座る形式でした。

バリアフリー演劇 劇場風景写真
舞台の真ん中で司会者と手話通訳者が舞台の説明をし、観劇に来た方が床に座っている写真

だいたいは車椅子席(車椅子でいれる場所)が用意されているのですが、そのようなものはありませんでした。

見たい場所から見てくださいというスタンスのようで、案内の方から「どこでも自由な場所にお座りください。まだ真ん中の前の方も空いていますよ。」と言われたのですが、さすがに車椅子のままで前に座ると後ろの方が見えにくくなるので、一番後ろに車椅子のまま位置取りました。

後ろといっても奥行きはさほどないので、上の写真でだいたいの位置はわかっていただけるかと思います。

劇が始まる前と後に自由に舞台を触れるコーナーがあり、事前に舞台の広さや、井戸のような舞台に設置されたものを触って体感できるようにされていました。

しばらくすると劇が始まり、まず最初は前説で、舞台の紹介とそれをサポートされる手話通訳の方の2名が現れた。

視覚障害の方のために、舞台の前後左右上下、端から端まで大きく足音を立てながら歩き、都度場所を説明をされた。

次に出演者の紹介。

出演者一人ひとりが順に自己紹介と、服の形や色、靴の種類と足音を立てられた。

感心したのは、皆、靴の種類が違った。

革靴、シューズ、ハイヒール、ローファー、裸足

服装も異なるので衣擦れの音も違うので、その組み合わせで仮に無言でその人物が舞台に現れたとしても、音で誰がどの方向から現れたのかがわかった。

聴覚障害の方には舞台背景にプロジェクターでセリフ字幕や物音の説明が表示されると同時に、話をする人物の近くで、手話通訳の方が話者の感情も含め手話で表現されていました。

ちなみにこの手話通訳の方は一人。

 

自分でときに手で目を覆い、ときに耳に手を当て観劇したが、それぞれに楽しい。

ただ、惜しいと思うことがいくつかあった。

背景にある字幕が、背景の色で見にくくなることが幾度かあったのと、字幕は必ず背景真ん中の高い位置に表示されるので、人物を見ていると見逃すタイミングがあった。

背景は常に、写真にある黒壁にオレンジと緑の塗装。

これがプロジェクションマッピングで、屋敷の室内、屋外など景色が変わりながら、字幕が人物の近くに表示出来たらさらに楽しめるのかな。

それと、手話通訳の方が基本的には話者の通訳なのだが、時々いち出演者として参加されることがあり、ポイントとしてクスッと笑えたりするのだが、おそらく視覚障害の方には何があったかわからないままなのではないかな。

しかし、かなり引き込まれる舞台だったことは間違いありません。

機会があればぜひ皆さんにも見ていただきたいと思います。

このようなことが当たり前になれば、どのような障害があっても舞台を楽しむことができます。

今回のアクセシビリティの祭典で紹介されるようなことが当たり前になれば、どのような障害があってもIoTを活用し、情報を得、仕事を獲得することができるようになります。

今はまだ「そんなことできるの?」って思うことでも、実際すでにされている人達がいたりします。

私たちはそのような人物や機器を皆さんに紹介し、「そんなことできて当たり前」に気持ちが変わってくれることを目指しています。

当日、多くの方がネットを通じ祭典に参加していただけることを楽しみにしています^^

スタッフ画像
山本 英嗣
特定非営利活動法人アイ・コラボレーション理事長